私が患者さんに対して心がけていることは2つあります。1つは「大量の薬を処方しないこと」、もう1つは「密にコミュニケーションをとって、定期的に来院していただくようにすること」です。
今はいろいろな薬がありますが、大量に摂取したところで、効果が上がらないどころか、体に悪影響を及ぼしてしまうことだってあり得ます。そうした事態に陥らないようにするためにも、薬を処方するときには患者さんの体のご負担を考えて、できるだけ少ない種類だけ飲んでいただくようにしています。
また、できる限り継続して通院していただくよう、信頼関係を築いていくことを心がけています。仕事が多忙なゆえ、キャンセルのお電話をかけらないという患者さんであっても、私のほうから直接患者さんにお電話をして、あらためて診察の日時を変更していただいてます。
患者さんにとって一番よくないのは、「自己判断で通院するのを止めてしまうこと」。それによって症状が悪化したとしても、結局は自分の体にはね返ってきてしまいます。また、通院を止めてしまった患者さんは、医師から、「どうせまた来なくなるんだろうな」と結論づけられてしまい、熱心に治療に取り組んでもらえないケースも往々にしてあります。
私が昔、勤務していた病院で、こうした患者さんを数多く診てきました。「自己判断で通院するのを止めてしまった」患者さんの末路は悲惨なものです。私はこうした状況を招かないようにするためにも、現在来院いただいている1人1人の患者さんと向き合い、継続していくことで「健康な体」を維持してほしいと考えております。