一般内科の診療

ここでの診療はおもに、
① 咳、発熱、のどの痛み、頭痛などの風邪症状の診療
② 気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患の内服・吸入薬による治療
などを行います。

風邪

風邪

鼻や喉に感染が起こって、炎症を引き起こします。症状は、咳、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、発熱、せきなどで、その原因のほとんどがウイルス感染によるものです。
ここで医学的に参考になる話をしましょう。
感染症を引き起こす原因(病原体)として、「ウイルス」「細菌」「真菌」「寄生虫」などがありますが、そもそもウイルスというのは自らの力で増殖できない、「生物」なのかどうかも議論を含んでいるような物体です。遺伝子(DNAやRNAとよばれるもの。生き物の設計図)と、それを包むカプセルしかなく、他の生物の細胞に寄生しないと自分の力だけでは増殖することができないのです。
風邪のほとんどは医学的には「急性上気道炎」と呼ばれ、このウイルスがのどや鼻の奥、肺、気管などに“寄生”し、そこで炎症が起きることが原因とされて引き起こされます。
ウイルスには多くの種類があるので、ごく一部のウイルス(肝炎ウイルスやヘルペスウイルスなど)を除き、ウイルスを退治する薬はないので、風邪を治すのは患者さんの免疫力(ウイルスや細菌と戦う力)に頼らざるを得ません。
よく、風邪の症状が現れると、「抗生物質をください」という患者さんがいますが、抗生物質は細菌や真菌、寄生虫など、自分で増殖できる病原体の増殖を阻害する薬ですから、自分の力では増殖することのできない“ウイルス”には無効なのです。
つまり、病原体であるウイルスを退治する薬がないので、風邪はつらい諸症状を緩和する薬を出して、「対症療法」をするのが精一杯なのです。
ですから風邪にかかったら、クリニックで処方された薬を飲みつつ、免疫力を落とさないように安静にして、水分を多く摂り、なおかつ栄養のあるものを食べて安静に過ごしていることが重要です。
しっかり治さないとその後、続発性の気管支炎や肺炎に進行する場合もありますので、少し改善された、あるいは治ったと思っても無理をせず、しっかり完治するまで来院されることをおすすめします。
また、風邪の症状が長く続くようなときは要注意です。肺結核やある種の膠原病、中耳炎、肝炎なども初期に発生する症状は風邪に似ていることも多く、あまりにも治りの悪いようだと、精密検査が必要となるので、完治まで通院されたほうがよいでしょう。
なお、風邪の診断は時に難しく、どんなに経験を積んだ医師でも「診断結果は風邪です」と言い切る自信はないものです。そこで、診断の一助になる血液検査や胸部レントゲン撮影などを行うことをおすすめします。ウイルスではなく、細菌が原因の上気道感染や呼吸器感染症(扁桃腺炎や肺炎など)はこれで発見できることがあります。
細菌感染であれば抗生物質が有効ですので、自信をもって抗生物質を処方することができるのです。けれども、すべての風邪の症状の患者さんに血液検査やレントゲン撮影を行うわけにもいかないので、その点は患者さんと相談しながら治療方針を決定してまいりたいと思います。

気管支喘息

気管支喘息は、空気の通り道(気道)が炎症を起こして荒れてしまい、空気中のさまざまな物質に対して敏感になることが原因の病気です。気道を刺激し、発作的に気道が攣縮して狭くなるために、肺へ空気が入りにくくなってしまった結果、「窒息」に近い状態になるので非常に苦しいのです。
喘息による発作は繰り返されることがほとんどで、適切な治療を行わないと重症化し、時に発作が原因で死に至ることもあります。原因となる物質はチリやダニ、ハウスダスト、ペットのフケ、カビなどが多いのですが、その原因物質が特定できないこともあります。
治療を進めていくうえで重要なのは、原因となる物質を可能な限りなくすこと(マメに部屋の掃除をする、布団を清潔に保つなど)、タバコの煙に近づかないなどの、生活上の注意点を守ること。さらに定期的に通院して、吸入ステロイド薬をはじめとした気道の炎症を抑える薬を使用し、発作を予防していくことです。
当院は呼吸器の専門病院ではありませんので、低~中用量の吸入ステロイド+気管支拡張薬、抗アレルギー薬の併用で発作がコントロールできる患者さんを対象に診療します。ただし、高容量の吸入ステロイドや、経口ステロイド剤の服用を要する状態まで重症化している患者さんや、ほかの呼吸器疾患との合併を認める患者さんの場合は日本医科大学武蔵小杉病院の呼吸器内科をはじめ、近隣の専門医に紹介するようにしています 。

慢性閉塞性肺疾患

慢性閉塞性肺疾患

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、「慢性気管支炎」や「肺気腫」と呼ばれてきた病気の総称です。タバコ煙を主とする有害物質を、長期にわたって吸入、あるいはばく露することで生じた肺の炎症が原因となり、喫煙の習慣を背景に中高年に発症する「タバコ病」です。
気管支喘息と違って発作的にではなく、慢性的に歩行時や階段の昇降時など、身体を動かした時に息切れを感じ、咳や痰を伴うことが多いのが特徴です。重症化すると慢性的に酸素不足となって苦しくなり、在宅での酸素療法が必要となるので、日常生活が著しく不便になります。
第一の治療は当然「禁煙」から。それに加えて適度な運動や、呼吸のリハビリテーションも有用です。治療薬は主に吸入抗コリン薬、吸入気管支拡張薬が中心となります。

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